小さい頃に聞かされた話に「うさぎとカメ」がある。
うさぎは、カメの何十倍も足が速い。なのに、山のふもとまでかけっこをしたら、余裕ぶっていたうさぎが負けてしまったという話だ。
人生訓である。
自分の能力にかまけて、努力をおこたると痛い目をみるぞ、というメッセージを「うさぎとカメ」を聞いた人は受け取ることになる。わたしもそうだった。
確かに自分より能力の低い相手を見下して、相手をなめてかかることは良くない。人間としては、由々しき事態だ。「うさぎとカメ」は、まさに正論だ。
わたしは子供心に、こうも考えた。
うさぎが何事に対しても手を抜かない性格で、相手がカメだとしても、本気で走ればほぼ確実に勝つんだろうなあ、と。
わたしは人生の中で、相手を見下して負けた時もあるし、自分より能力が低いとみえても本気で取り組んだこともある。相手からすれば、自分が「うさぎ」でなくて、「カメ」だったのだろうという時もある。
どんなに人生訓を聞かされても、人はその話を自分に置き換えては考えようとはしない。
実体験で痛い目を見ないと、人生訓も生かされないということだ。
失敗はない。
反省から学んでそれを生かせば、いいのだろうと思う。
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