のようなもの

ぼくは勉強をしていた
よく分らなかった
教えてもらおうとチラと横を見た
父さんが囲碁にむかっている
超聞きにくい!

ネットで調べた
答えが沢山でてくるでてくる
嬉しくなってノートに書き写した
いつの間にか父さんがこっちを見ている

父さんが言った
ーそれは「答え」のようなものだ
僕は不機嫌そうに「うん」とだけ答えた

僕は大人になった
父さんはもういない
いつか僕も自分の子に言うだろう
ーそれは「答え」のようなものだ、と
言えなかった「ありがとう」とともに



長崎瞬哉

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