毎年この時期になるとお隣さんから梅干しをもらう。
我が家にとっては、頂くだけでも有り難いことなのだが、この梅干し、相当に美味しいのだ。
今までにお金を出して買ったどの梅干しよりも、お隣さんの梅干しは、まろやかで美味しい。
もし、このお隣さんの梅干しが、近所のスーパーで売っていたらわたしはきっと普通にお金を出して買うだろう。
でも、お隣さんの梅干しは近所のスーパーでは売っていない。世界のどんなお店に行ったって買うことは出来ない。
いつも我が家はお隣さんからもらうだけで、何一つ返していない気がする。
旅行などに行った時、お隣さんにお土産を買ったりもする。しかし、どこでも買えるお土産など、頂いた梅干しとは到底釣り合わない気がしてしまう。
我が家はこのお隣さんから、梅干しだけでなく新鮮な野菜やら、お赤飯やら手作りのお金では買えないものばかりを年中もらっている。
まあ、もらう人がいなけりゃ、あげる方もね、などと思ってみたりするが、どこか気持ちは落ち着かない。
「お金」も、もらえば嬉しいが、「お金で買えないもの」は、お金で計算出来ない分、嬉しさが違う。驚きをもった嬉しさ、とでも言おうか。
わたしも、人様からもらうだけでなく、「お金で買えないもの」をあげる方になってみたい。
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