いつもあたりまえのようにしていたことが、何かのきっかけであたりまえでなくなる瞬間がある。
マラソンにでることになったから、極力車に乗らないようになったとか、肩や腰が痛いのは姿勢が悪いせいであると本で読み、姿勢を意識するようになったとか。
わたしの場合は、『あたらしいみかんのむきかた』を読んで、みかんのむき方が「あたりまえ」ではなくなった。
【2012年10月21日 みかんの皮1枚すべて使って作った太陽さん】
『あたらしいみかんのむきかた』では、みかんの皮を使って動物などの形を作る。
一つルールがあって、みかんの皮をまるごと使って一つの作品を作るのだ。
くだらないと言えば、くだらない。
しかし、このルールが想像力をかき立ててくれる。
決してみかんの皮のある部分をちぎったり、削ったりしてはいけないのだ。
まるごと一つのみかんの皮で一つの作品を作る。何かこの縛られた日本的なルールに快感を憶えてしまう。
どちらかと言うと、考え方が一筆書きの要領に近い。
しかもみかんの皮は、丸く球状のため、むいたときの形を想像しにくい。
こうした3次元の立体を分解した形を、頭の中で組み立てることが得意な人はいるとは思うが、わたしは苦手だ。
苦手だが、挑戦してしまう。
みかんの皮をむいた後に現れる「何か」を想像し考えている間が最も面白い。
コメント