学校で教えてくれる事柄はその先に通じていることが多い。
【写真/2010年9月29日夜8時30分の星】
『星座早見表』というものを小学校時分に知った。たぶん、理科の時間に教えてもらった。
いつなんどきの夜空の星の位置が示されるお皿のような形をしたものが『星座早見表』だ。
わたしが持っていた『星座早見表』は金属でできており、星座や天の川などの絵が描いてあった。
簡素はものは厚紙で出来ていて雑誌の付録についてくるものもあった。
描かれている星は、6等星までで人間が肉眼で見る事ができる明るさということだった。
もちろん主な星座が描かれているだけである。夜空の星が手のひらに収まるはずはない。
日付と時間に合わせてクルクルと回転し現在の星の位置などが手に取るように分かる。北極星の位置が『星座早見表』の中心になっている。
方角を基準に合わせて夜空にかざせば、夜空にはほぼ同じような星々が輝いていた。
星座早見表の影響かはわからないが、わたしは夜空を見ると必ず北極星を探すようになった。
北極星が見つかると安心するのだ。そこを中心にして夜空を見てしまう。
初めて『星座早見表』を使ったわたしは、かなり感動していたと思う。
なぜなら、星の運行は予測できるものだということをそこで知ったからだ。
わたしは昼間に『星座早見表』を使ったことがある。
今現在は太陽が出ていて見えないが、空ではこんな感じの星々が広がっている、などと想像を巡らせ楽しんでいた。
同じような楽しみを持つ友達はいなかったので、一人で星座早見表や夜空を見上げては星を観察していた。
観察していたといっても空を見上げていただけなのだが。
その当時はかなりの数の星座や星の名前を憶えていた。
今でもいくつかは憶えている。
こと座のベガやわし座のアルタイル、白鳥座はデネブだったか。
オリオン座は3つ星と言われている3つの連なった星が綺麗で好きな星座だった。
プレアデス星団というより昴(すばる)と言った方がしっくりとくる綺麗な小さい星の集まりも冬によく見た。
反射望遠鏡が家にあったので、昴をみたが、望遠鏡で見ても少し大きくなっただけでやはり星の集まりだった。
目で見るよりは沢山の星が見えるのだなあ、と思った。
夏より冬の方が空が澄んでいて星が綺麗に見えることを知った。
特に寒い凍えるような冬の日は星がチカチカと息をしているように綺麗なことも知っていた。
わたしが住んでいた長野県は標高が高いためか、星が本当に綺麗に見えた。
天の川は夜空に白い帯をぶちまけたように続いていた。
「想像力」というものは自然体験で培われるように感じる。
わたしは想像する事が大好きなのだが、それはこうした経験からきているのかもしれないなあ、と思う。
久しぶりに夜空の星を見た。
子供に星座を教える為に見ていたのだが、いつの間にか自分一人が星の下に立っていた。
生きていると色々と問題があるのが現実だ。
夜空の星を見て、自分の問題が小さい事柄のように思えてくるのもまた現実である。
コメント