続・夢十夜/第五夜『水槽』

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アイキャッチ未登録画像 長崎瞬哉(詩人)

こんな夢をみた。

わたしはプールのように大きな水槽を見下ろしている。
辺りには何人かの大人たちがいる。大人たちは、水槽の水を抜こうとしている。

大人たちは大変そうに見える。水槽の水がうまく抜けないからだ、とわたしは思った。
水槽の水は人間の膝丈くらいにまでは減ったが、そのあとはちっとも減らない。

気になって水槽の底を見ると何かが沢山沈んでいる。わたしはいてもたってもいられず、水槽に飛び込んだ。

底に沈んでいたものに手を伸ばすとおもちゃだった。
小さい子がごっこ遊びに使うような木でできたおもちゃがあちこちに沈んでいた。
不思議なことに木でできたおもちゃは時々カタカタと動く。木のタイヤをつけた車のおもちゃなどはタイヤがくるくるとまわったり止まったりを繰り返していた。

「水の中でも動くことがあるのだなあ」と思った。
「昔はもっとちゃんと動いていたんだろうに」とも思った。
おもちゃを全部水槽の外に出すと、水槽の水はきれいに抜けきった。
いつも間にかあたりはわたしとおもちゃだけになっていた。

水槽の水は全部抜けた。
目的は達成できたはずなのに何かがまだ終わっていないような気がしている。

おもちゃが動かなくなっている。

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