これまでわたしは全巻読んできたが、やはり涼宮ハルヒシリーズは面白い。
2003年に「涼宮ハルヒの憂鬱」が発刊されてから17年。最終巻となっていた「涼宮ハルヒの驚愕(後)」が2011年に発刊されてから9年後の2020年11月に登場した待望の新刊が「涼宮ハルヒの直観」だ。
本書は「涼宮ハルヒの驚愕」なみに厚い本だ。ページ数は、正味407ページ。その中に3つの短編・中編・長編がバランスよく収められている。
短編 「あてずっぽナンバーズ」
中編 「七不思議オーバータイム」
長編 「鶴屋さんの挑戦」
「あてずっぽナンバーズ」でSOS団が帰ってきた感じがし、「七不思議オーバータイム」で新キャラ登場に驚き、最後の「鶴屋さんの挑戦」でこれがハルヒだ!という感じだろうか。
ところで「鶴屋さんの挑戦」というタイトルは、鶴屋さんからSOS団に対する挑戦と読み替えた方がいいだろう。わたしはこの中で一番面白かった。
新キャラも1人登場する。
「七不思議オーバータイム」、「鶴屋さんの挑戦」に続けて登場するあたり、ピンポイントで登場するキャラではなさそうだ。本書は、角川スニーカー文庫からの発刊のため、おなじみいとうのいぢ氏の挿絵がところどころにあり、新キャラも当然のことながらいとういのぢ氏の絵で拝むことができる。ファンにはたまらないはず。そういえば巻頭のカラー挿絵部分では、新型コロナの時代を感じるハルヒ、みくる、長門の3人の絵がありちょっとニヤリとしてしまった。
本書では、かなりの数のミステリ系書籍が著者名と簡単なエピソードとともに登場する。主に古泉や新キャラ、長門(ほとんど語らないが…)がそれらの本に関するうんちくを戦わせる。古泉や新キャラに語らせてはいるが、作者の谷川流が読者に書評を展開しているのでは?と思わせるくらい熱く語っている。(特に古泉が熱い)
これまでに長門が読んできた本ではないが、今回の「涼宮ハルヒの直観」に登場するミステリ系書籍の数々も現実に存在するものばかりなので、気になって読んでみたくなる。
これ以上中身を書いてしまうとネタバレとなってしまい読むのを楽しみにしている人にはよろしくないであろうから、長門風に各編の感想を記しておこう。
「あてずっぽナンバーズ」 | 爽やか |
「七不思議オーバータイム」 | 涼宮ハルヒに愛称はないと思われる |
「鶴屋さんの挑戦」 | ミステリ研の部長 |
最後の方で橘や周防九曜(「涼宮ハルヒの驚愕」に登場)の名を出してくるあたり、次回作(何年後だろう???)にいやでも期待してしまう。
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