Dr.ウイリアム・デイビス(著)
白澤卓二(訳)
この本は正直読みにくい。(笑)
わたしは本書を読んでいる最中、何度も睡魔に襲われた。(理由は後述する)
ただ書いてあることは面白い。かなり目からうろこの内容だからだ。
本書を要約すると
アメリカ人に肥満が多いのは小麦を沢山食べているから。
肥満、糖尿病、関節炎など健康を害するきっかけとなっているのが小麦だ。
小麦は食卓から排除しなさい!
つまり本書のタイトルである「小麦は食べるな!」が結論(笑)
数年前に気づいたことだが、わたし自身はパンを2食続けて食べると大抵お腹の調子が悪くなる。お腹が張ったり、下痢気味になったり。
最近は小麦をさけていたので、本書の内容はある程度理解できる。でも妻などはパンを食べても調子は変わらず。小麦に対する耐性は個人差があると思う。ただ日本人も肥満が増えてきていると感じるので小麦を食べる習慣も一因となりうるかも、というのが個人的見解。
どんな点が目からうろこか?
まずアメリカ人の著者が小麦を食べるな!と声を大にして伝えている点。アメリカの食卓から小麦をとったらほとんどの人が食べるものがなくなってしまうのではないか。
要するに日本を例にすれば「米は害悪だから絶対に食べない方がいい!」と日本の農家や国民を敵にまわすようなことを訴えているようなものだからだ。これをアメリカでやってしまう著者は凄い勇気である。
冒頭に書かれていたのだが、小麦が普及していった背景がわたしには目からうろこだった。
そもそも小麦は様々な国で飢餓をなくすために普及していった面もあり、その過程で品種改良が進められていった。現在の小麦は収穫量も上がって病気にも強くなったが、小麦に含まれるたんぱく質のグルテンはその構造が大幅に変化した。飢餓をなくすため、収穫量を上げるため遺伝子操作が行われた作物にも関わらず人体実験をせずに各国に普及していった。
食べたらどうなるか?を考えずに小麦は普及していったわけだ。
小麦に中毒性がある、という点も驚きだ。ヘロイン並みに中毒症状があるなどと書いてある。(ヘロイン並みと言われても正直分からないのだが)小麦には多幸感を得られたり、脳に作用して更に小麦を欲する作用があるとのこと。ロールパン1個食べるとそこで終わらず次から次へと食べたくなるような感じか?
本書をわたしなりにまとめた
大まかに本書をまとめてみる。
- フェーズ1血糖値が急上昇する
ちなみに砂糖よりも上がるらしい
- フェーズ2血糖値が増えると体内にブドウ糖を送り込むためインスリン分泌が増える
ここまでは体の正常反応
ただ上記フェーズ1とフェーズ2を日々繰り返すとどうなるか?
要するに小麦や小麦由来のスナック菓子などを頻繁に食べ続けるとどうなるか?ということになるが、こうなる。
- フェーズ3インスリンの分泌が追いつかなくなり糖尿病を発症
糖尿病とまでいかなくても糖尿病予備軍になってしまう
- フェーズ4身体が高血糖状態となりお腹がぽっこりする
内臓脂肪(お腹周りの脂肪)が蓄積していく。要するに太る!
- フェーズ5内臓脂肪が蓄積し、心臓病や関節炎(もちろん糖尿病も)などに発展
小麦を食べすぎると色んな病気になるよ~
解決策は簡単で、「小麦を食べなければ良い」というもの。
でも本書では実例やデータを元に詳しく解説している。(詳しすぎて眠くなるくらいだ)
最後に本書を読むと眠くなる原因を示す。
わたしが本書で睡魔に襲われた理由
医学用語(というか聞きなれない横文字)のオンパレード。
例)
まずグルテンは、ペプシン(胃液中の酵素)と塩酸(胃酸)に接触してポリペプチド混合物に分解されました。
糖化やAGE形成が多くの老化現象の原因であり…
さっぱりわかりましぇん。
あとやたらとアメリカで食べるパンの種類が出てくる。
あなたはこれをまともに読むことが出来ますか?(まあ、実際わたしも飛ばし読みしましたが。一言で「パン」じゃ駄目なんだろうか?)
つまり、20メートル分の精白パン、イタリアパン、フランスパン、ブレッドスティック、ベーグル、レーズンベーグル、チーズベーグル、ガーリックベーグル、オーツ麦パン、フラックスシードパン、ピタブレッド、ディナーロール、カイザーロール、ケシの実ロールパン、ハンバーガー用のパン、14種類のホットドッグ用のパンがあったのです。もちろん、これには…
ところどころに挿入されている著者のもとを訪ねてきた患者のエピソード例がほとんど同じ。
劇的に良くなるエピソードがほとんどなのだが、どれも似たり寄ったりで、患者が小麦をやめたとたん血糖値が改善した、息苦しさが直った、関節炎が直ったというパターンばかり。そして共通するのは小麦をやめることで劇的に痩せた、というもの。何回か患者のエピソードを読んでいるうちにオチが分かってしまう。
とにかく「小麦を食べると太る!」と洗脳されること間違いなし!
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