時代の子供たち

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小学生のときは、通学地域外に子供同士で行ってはいけない決まりになっていたので、子供たちだけで隣町にいくなどという行為は罰則ものだった。

中途半端に隣町にいくと、友達や先生に会う可能性がある。
だから、わたしと友達はこう考えた。自転車で一山越えて温泉まで行こう。その頃の温泉にはなぜかインベーダーなどのゲーム機がおいてあり、それもわたしたちには魅力的だった。
行ってはいけない遠い場所、インベーダー。小学生のわたしたちはそれだけで十分にワクワクした。

途中喉が乾いて立ち寄った駄菓子屋のおやじが、やけにポカリスエットをすすめてきて「汗をかいた時には体からイオンが失われるんだ。だからそんなときにこれを飲むといい」などと大塚製薬の人かと思うほどにわたしたちに熱弁をふるった。
ポカリスエットを見ると、わたしはいつもこの冒険途中のおやじを思い出す。

温泉までは、自転車で片道2時間以上かかったと思う。帰りはもちろん夕方だ。
温泉のゲーム機は、小学生などがやってはいけないものだったので、2回ほどやって辞めたと思う。叱られたらどうしよう、とドキドキしながらやったのだ。温泉に入ったかは記憶がない。
ただそれだけのことだったが、自転車で1日かけた冒険のことをわたしはいまだに憶えている。

わたしのこれまでの人生の中で、この冒険が何の役に立ったかと言われると、口をつぐむほかない。
しかし、人生つまらないなあ、と感じるときにこの些細な冒険を思い出すと、人生をつまらなくしているのは自分自身かもしれないなあとも思う。まあ、わたしは親や先生の言いつけを守らなかった悪い子供ではあるが。

物を盗むとか、人を殺すとか、人を騙すなどは別として、何でもやってみることだ。
生まれた環境が悪いとか、時代が悪いは関係ない。
人は誰しも冒険者であり、開拓者になれるとわたしは信じている。

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