同じ災難にあった人どうしが、お互いに助け合うことができる

「頑張ってください」
日常わたしも他人にこう声かけをすることがある。
「頑張ってください」と健康な人がもう助かる見込みのない病気の人にかけることは、出来ないはずだ。


「同病相憐れむ」という言葉がある。
中国の言葉だ。
「同じ災難にあった者どうしが、お互いになぐさめ合う」といった意味である。
最近の日本では、被災者同士がわたしも含めこの状態であった。
この言葉のうしろには、「同憂相救う」とつづく。
「お互いに助け合う」といった意味だ。
同じ境遇に陥った者どうしが、お互いに真の意味で助け合うことができるのだ。
「頑張ってください」
は便利な言葉だが、時と場合により、刃物にもなることを心しなければならないと思う。
災難の渦中にある人は、まわりに対しては「人の気も知らないで」と思っていることが多い。
実際に自分がその人と同じ状況にならない限りは、その人の気持ちなど分からない。
末期ガンの人の気持ちは、自分が末期ガンにならなければわからない。
介護を受ける人の気持ちは、自分が介護を受ける立場にならないとわからない。
目が見えなくなった人の気持ちは、自分が目が見えなくならないとわからない。
相手と同じ立場にならないと本当のところはわからないのではないか。
だから「同病相憐れむ」なのだと思う。

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