人はいつ大人になるのか

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人はいつ大人になるのか そういう気持ち

「ある日突然、子どもを卒業して大人になるわけじゃない。今の君の生き方が大人の君をつくるんだ」
『いじめを見ている君へ』と題した朝日新聞の連載記事に載った舞踏家田中泯(みん)さんの言葉だ。

「大人になった」と自分自身が認識したのはいつの頃だったか。
小学生時分は、大人に憧れた。大人は宿題をしなくていいから、という短絡的な気持ちで。
中学生や高校生が大人に見えた。
自分の親を含め、世間の大人たちが自分にとっては、遥か未来、遠い先の話に見えていた。
中学生の頃、部活動をして体力がついた。なんとなく小学生のころよりも自信がついた気がした半面、身長が他人より低いとか勉強ができないとかちょっとしたことで落ち込んだ。
先生に対する反発もこのころは多かった。
真剣に指導してくれる先生や叱ってくれる親に対してなぜか理由もなく反発していた。
自分の考え方は大人なんだ、と思いたかっただけかもしれない。

心の中で「ああいう大人にだけはなりたくない」とよく考えていたように思う。
わたしは高校、短大、就職と「大人」への階段を上っていった。
誰がみても「大人」だと認識されるようになった今、わたしは「ああいう大人にだけはなりたくない」と誰かの心の中で言われるようなりっぱな大人になった。
「真剣に指導してくれる先生」や「叱ってくれる親」になっていた。
人は、いつ大人になるのだろうか、という問いに答えるとすれば、それは「自分より子どもだと感じた人」に接したときなのかもしれないと思う。
「今の君の生き方が大人の君をつくる」―という言葉は正しいものとして受け入れられる。
ふだんのわたしは自分自身を「大人」として認識していないが、自分よりも「子ども」に接したときに大人は顔を出すのかもしれない。わたしの「子ども」を押しのけて。

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