タイムマシン

「ドライバーの50人に1人は交通事故を体験しています」
夏休み前恒例の交通講話で警察官が学生に語った言葉だ。


わたしの職場である学校は、明日から夏休みだ。
夏休み前恒例の交通講話がこの時期にあり、警察官を学校に招き、交通安全について講話をして頂く。
「ドライバーの50人に1人は交通事故を体験している」と聞いたとき、わたしは本当だろうかと首をかしげた。
なぜなら、もっと多くの人が事故にあっていると感じるからだ。
例えば、わたしとわたしの妻は二人とも相手の車にぶつけたことはないが、相手の車からぶつけられたことがあり、事故率は100%となる。
わたしの身の回りでも事故にあったことを話してくれる人の割合は50人に1人より多い気がする。
実際、警察が把握している交通事故の件数は、警察に通報された事故の統計である。
交通事故を起こした当事者同士で話し合い(示談)の結果、事故の処理を行うケースもあることを考えると、交通事故自体は警察の把握している件数より多い。
ちょっとした車の擦り傷程度であれば、事故の当事者同士で示談し保険会社を通して事故の後処理を行うケースがかなり多い。
やはり50人に1人以上は交通事故をおこした人がいると考えて間違いはなさそうだ。
わたしの印象では5人に1人くらい交通事故の体験がありそうだ。
交通講話では次のような言葉も飛び出した。

「交通事故死亡者の約7割が初めて事故を起した人」
「右から横断するお年寄りの人の方が左から横断する人よりはねられやすい」

自動車は、動く凶器である。
なぜ運転マナーを守らないのか?という問いにサッと答えられる人は少ない。
守らないのは、自分だけは事故を起こさないと思っているからだ。
子供の頃読んだSF小説にH・Gウェルズの『タイムマシン』がある。
タイムマシン (岩波少年文庫)
タイムマシンを発明し、未来への時間旅行をする話だ。
未来人は現代人とは体つきが変わっている。小説の内容では、未来は「明るい未来」ではなかったように記憶している。
『タイムマシン』のあとがきに自動車の交通事故でお父さんを亡くした少女の詩がのっていた。
この世の中からぜんぶの「自動車」がなくなればいいのにという内容だった。
そしてもし少女がタイムマシンにのることが出来たら、自動車が発明された昔に戻ってその発明をしないようにさせるのにといった詩の内容だったと思う。
過去も未来も、変えたいような変えたくないような。
タイムマシン…わたしだったら、どう使うだろうか。

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