はな紙とちり紙の違い

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現代では使い捨ての紙を一様にティッシュと言う。
「はな紙」や「ちり紙」という言葉がかつてあった。
今では毎日のように使い、無くてはならないティッシュだが、「はな紙」や「ちり紙」ほどの思い出はない。

わたしが小学校の頃(1970年代後半)の話だ。
よく親から近所の雑貨屋にちり紙を買いに行かされた。
ちり紙というのは、正方形よりは少し長辺が長いゴワゴワした紙で積み重なって1メートル以上はある状態で売っていた。積み重なった紙は、一応は薄いビニール袋で覆われていて片方でしばってあった。
お使いとして「ちり紙」を頼まれると他に何も買って帰る事が出来ないくらい大きいため、嬉しい買い物ではなかった。
わたしのよく行ったお店では、店頭にちり紙は置いてなく、お店に行って「ちり紙ください」と言うとお店の人が奥から大きなビニール袋に入ったちり紙を出してくれた。

基本的にちり紙は便所で使う紙だった。
要するに、大をしたときにお尻を拭く紙ということだ。
小学校の遠足のとき、わたしはこの「ちり紙」を折り畳んで持っていってしまい、友達に使う所を見られて「こいつ、便所の紙使ってるぞ!やーい。便所神(紙?)」と馬鹿にされた事がある。これは失敗だった。家の中でならともかく、よそ行きの時は「ちり紙」ではなく「はな紙」を使うべきだったのだ。

もう一つ、鼻をかむときに使う「はな紙」だが、「ちり紙」よりはランクづけが上だった。
「はな紙」は、10枚ほどで積重ねてあって真ん中で折ってある。
「ちり紙」ほどゴワゴワした感じはない。和紙に近い感じで見た目も高級そうだった。
その名の通り鼻をかむときに使うものだが、遠足に持っていっても馬鹿にされることはないよそ行きの紙なのだ。
使い方は人それぞれで、わたしの様に一枚ずつ丁寧に使う人もいれば、束になったままポケットに入れておき真ん中で折った内側から使う人もいた。

今考えると「ちり紙」も「はな紙」もティッシュのように一度使ってすぐに捨てるような事は無かった。
使ったら折り畳んでポケットに入れておき、また必要な時に使うと言う感じだったのだ。
わたしの婆ちゃんなどは、鼻をかんだあと乾いてからまた使うといった事を何度か繰り返していたため、この人は紙を捨てないんじゃないだろうか、と子供心に思っていた。
婆ちゃんにとって「紙」は「神」だったのかもしれない。

ところで、日本はあの頃に比べ豊かになっただろうか。

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