いつかまた会おう

いつかまた会おう そういう気持ち

恐山のイタコは小さい頃にすごく興味があった。
わたしの記憶では、イタコ(と呼ばれる盲目のおばあちゃん)に誰それの霊を呼び出してくれと頼むと、その人の霊がイタコに憑依して、本人のような口調で話し出すのだ。当時のテレビ番組で見たのだが、イタコのおばあちゃんの表情が怖かった。それより死んだ人と会話できるという状況もかなり怖かった。

イタコの存在を知った当時のわたしは、身近な家族、父や母、一緒に住んでいた祖母も元気だったため、イタコ=怖いおばあちゃんという認識で終わってしまっていた。
現在、父、母、祖母ともみな他界した。もし、イタコのおばあちゃんにお願いすると、どんな会話が出来るだろうか。

あの世とこの世をつなぐものが、この現代に残っているのかわたしには分からない。ただ、もしお金を払えば死んだ人と会話が可能であったとしても、わたしはきっと辞退すると思う。
わたしなら死んだ後にこの世に呼び出されても一言もしゃべりたくはない。
死んだ人は死んだ人。生きている人は生きている人。それでいいと思う。

もちろん、いつかまた会えるかな、という希望は捨てることは無いけれども。

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