本の感想:人間豹/江戸川乱歩らしくない小説

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

人間豹
江戸川乱歩(著)
少年探偵江戸川乱歩全集〈44〉人間豹
怪人二十面相で有名な江戸川乱歩の少年探偵シリーズの44巻目の本です。
最初の少年探偵シリーズの巻に比べるとかなり文体が違っており、話の展開がやや急な感じのする本です。
本当に江戸川乱歩が書いているのかなあ、と思いました。
良く言うなら軽快なテンポ、悪く言うなら話が雑です。


「人間豹」では、怪人二十面相は出てきません。
人を殺さずに財宝を盗む二十面相とは打って変わって、この物語の主人公である人間豹の恩田は、次々に人を殺します。
今までの少年探偵シリーズはトリックも巧妙でかつ分かりやすく、児童におすすめできる内容だったのですが、この本では、人を殺す場面が多いこと、殺し方も残虐でやや猟奇的な殺し方があることで児童にはおすすめはしません。

名探偵明智小五郎を人間豹の恩田が追いつめる場面は、明智もかなり動揺していて面白いです。しかし、明智が逆転する場面では、少し拍子抜けします。
ともあれ、このシリーズの中では異色の内容の本ですし、物語は最後まで楽しむことは出来ます。
ポプラ社の古い版などがまだ図書館にあればぜひ表紙をご覧になられることをおすすめします。
主人公「人間豹恩田」の絵が恐いです。

江戸川乱歩と言えば、巨星のイメージですが、こんな本も書いていたと思うと、少し安心したようなホッとしたような気分です。

最後に事件は解決し一応の収束を迎えます。
しかし、すっきりしない後味が残るのです。恩田とは一体何者であるのか。
この不可思議さがこの「人間豹」の魅力だと思います。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。

コメント

  1. SECRET: 0
    PASS: 3d583833498fba06139bf19e7b3caf33
    mrgaritaさまへ
    こんにちは、
    昔書かれた本を、このように紹介されるmrgaritaさまに
    すごく共感します。
    怪人二十面相、こどもの頃よく読みましたよ。
    ハラハラしたものです。
    今後もよろしくお願いします。  AKIRA

  2. mrgarita より:

    SECRET: 0
    PASS: 74be16979710d4c4e7c6647856088456
    >> AKIRAさん
    ありがとうございます。
    今後もよろしくお願いします。
    最近の本も読みますが、昔の本も思い出したように読みます。
    温故知新という言葉が好きです。
    古いものの中にも新しいものは発見できます。
    わたしたちの身の回りのものは、すべて先人の知恵からなりたっています。
    感謝したいです。
    mrgarita

コメントを残す

*