長崎瞬哉

長崎瞬哉(詩人)

川柳:雑音

雑音を 聞かぬあなたの 鎖国かな 長崎瞬哉
長崎瞬哉(詩人)

自由律句:未来

都会の雑踏で 道に迷っておろおろしている老夫婦を見て かわいそうだと思ったのは 私の未来 子どもに期待するより 自分に期待せよ あなたたち 大海の水を 柄杓一つで かき出してゐるわが人生 長崎瞬哉
長崎瞬哉(詩人)

あたりまえの句:人生

生まれたよ 成長したよ 死んじゃうよ
長崎瞬哉(詩人)

川柳:たるみ

美容整形 あなたの心 たるんでる 長崎瞬哉
長崎瞬哉(詩人)

自由律句:家

夫婦は仕事 子は学校 昼空き家 長崎瞬哉
長崎瞬哉(詩人)

詩:遠く

遠く 遠くへ行こうとして 家を出た
長崎瞬哉(詩人)

観音様にちかづく話

「観音様はこれくらいなんだよ」と、 女の子はわたしに言った。 小さな手を上げられるだけ上げて、 これ以上ないを意味している。 【写真】2014年1月10日 観音様と私の関係
長崎瞬哉(詩人)

俳句:ふるさと

遠ざかる アルプスの山 今日も静けき
長崎瞬哉(詩人)

詩:いつもの時間

本当はもっと 思うようにやりたいのだけれど いつもこんな時間になってしまう
長崎瞬哉(詩人)

短編:教室ロケット

「教室ロケット」/長崎瞬哉 ある日、ぼくの投げたバスケットボールがミツオ君の顔に当たった。鼻血こそ出なかったが、ミツオ君は痛そうだった。ミツオ君は、ぼくより体が大きくてがっしりとしている。でも、スポーツは苦手だ。 ぼくのクラスの男子は、自分...