短歌

長崎瞬哉(詩人)

短歌:車窓

君が目を開いていても いなくても車窓の景色 流れ続ける
長崎瞬哉(詩人)

短歌:子供

声上げて泣く子はどこかうらやまし
長崎瞬哉(詩人)

短歌:寂しがり

ちょっかいをだしてくる君 過去のボク目の奥みえる 誰かかまって
長崎瞬哉(詩人)

短歌:未来

ごめんねも言わぬあなたに 腹を立ていつか笑顔で それを語るよ
長崎瞬哉(詩人)

短歌:四字熟語

四字熟語 最近憶えた 不要不急いまだに意味が わからないけど
長崎瞬哉(詩人)

短歌:ひよどり

ひよどりにカメラを向けてシャッターのピント合う音とりの鳴き声
長崎瞬哉(詩人)

短歌:オリオン

白銀を家路に急ぐ 自転車の吐く息白くオリオン曇らん
長崎瞬哉(詩人)

短歌:夕やけ

夕やけを心に収め帰宅する妻がはしゃいでねえ見た?と言ふ
長崎瞬哉(詩人)

短歌:令和2年

入学の式に父母の姿なしウイルスの姿いまだ掴(つか)めず長崎瞬哉
長崎瞬哉(詩人)

短歌:先進国

対岸の火事と思へば安心し目の前に来て手遅れと知る長崎瞬哉