短歌

長崎瞬哉(詩人)

短歌:田んぼ道

白銀や 人類消えし 田んぼ道未踏の大地 鳥が導く
長崎瞬哉(詩人)

短歌:人

人が言う死んで花実(はなみ)が咲くものか
長崎瞬哉(詩人)

短歌:時計

世界から 時計が全部 消えたなら空を見上げて ほっとするかも
長崎瞬哉(詩人)

短歌:紅葉

いにしえに紅葉を愛でし 彼の人の声と聞こえし 風の音かな
長崎瞬哉(詩人)

短歌:火事

今日もまた 平和なりしと 思う身は対岸の火事 やり過ごす日々
長崎瞬哉(詩人)

短歌:田舎

行き交うは 軽トラ たぬき 介護カーサイレン鳴れば みんな出てくる
長崎瞬哉(詩人)

短歌:蝉しぐれ

蝉しぐれ 雑音とする 心あり季節忘れて 過ぎる私よ
長崎瞬哉(詩人)

短歌:カセットテープ

カセットに録音してる夢を見た曲の途中で母の呼ぶ声
長崎瞬哉(詩人)

短歌:雨音

雨粒が みんなと落ちて この星をタンタタ シトシト 奏でているよ
長崎瞬哉(詩人)

短歌:4月9日

早世の夫の命日忍びつつ初孫祝う4月9日