銀河英雄伝説外伝1 星を砕く者
田中芳樹(著)
銀河英雄伝説外伝は、ヤン・ウェンリーと戦いをともにしたユリアンの視点で描かれています。
ヤン・ウェンリー亡き後、ヤンの意志を継ぐユリアン。回顧録とも言える味わい深い作品です。
「英雄など、酒場に行けばいくらでもいる。その反対に、歯医者の治療台にはひとりもいない。まあそのていどのものだろう」
ヤン・ウェンリー
信仰は、無知と、せまい視野とのうえにこそ成立するものだった。
「いいか、わが息子よ、偉人なら一度の忠告で反省する。凡人なら二度くりかえして諌められれば、まずあらためる。できの悪い奴でも三度も言われれば考えなおす。それでも態度を変えないような奴は、見放してよろしい」
「四度めの忠告はしなくていいの?」
「四度めになればな、追放されるか投獄されるか、あるいは殺されるからだ。暗君という奴は、そういうものだ。だから四度めの忠告は、自分自身に害をおよぼすだけでなく、相手によけいな罪業をかさねさせることになり、誰のためにもならない」
「…ふうん」
ヤンの父親とヤン・ウェンリーの会話
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