ロボット・イン・ザ・ガーデン
デボラ・インストール(著)
松原葉子(訳)
自宅の庭に突然あらわれたタングというロボット。見た目はかなり旧式だ。
一方、主人公のベンは妻に離婚をつきつけられそうな冴えない中年である。
タングに対して、他のロボットにはない「何か」を感じた主人公ベンが、タングとともに元の持ち主を探す旅に出る。
物語の舞台は、AI開発が進み、家事など人間の手助けをしてくれるアンドロイドたち活躍する近未来だ。
タングは表紙絵にもあるように、いかにも旧式ロボットという見た目だ。
ベンが色々と質問しても回答はどこか的を得ない。
「やだ」とか「ベン、ベン、ベン!」などと子供みたいな反応をするのだ。
どうやらタングは成長するロボットという設定のようだ。
本書の核となる旅と成長は、ある意味同義かもしれない。
成長するのは、ロボットのタングであり主人公のベン、そしてベンを取り巻く人たちなのだと読み終えてから気づく。
実はこの物語のタングのようなロボットの存在こそ、現在の世界で進められているAI開発の未来の姿なのかもしれないと思った。それはつまり人間にとって必要なものなのだ。

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