小旅行の折、宿泊施設の近くにある筑波山神社に行った。
神社の本殿に向かう途中、灰色の巨大な球体が目に飛び込んできた。かなり大きな物体なので人目を引くかと思いきや、誰も見向きもせず本殿に向かっている。
「きっとUFOだよ」
心のわたしがつぶやいた。
しかし、それは宇宙の卵だった。
きっとこの中には、太陽系を含む我が銀河系星団が内包されているのだ。
今まさにわたしがそうしているように太陽系第三惑星の地球と言う星の日本という国にある筑波山神社の本殿に向かう途中、宇宙の卵なるものが設置されており、その宇宙の卵の中にはまた小宇宙があって……
妄想が駆け巡ったのもつかの間、わたしは宇宙の卵の前に設置された看板の文章が理解できないことに気づいた。
これは日本語なのか?
何度読んでも意味不明。そもそも「宇宙の卵」というタイトルからして意味不明だ。理解できる人がいたら英語でも何でもいいので正確に訳して欲しい。(東京都新宿区の上山良子所長に聞かないと分からないのだろうか?)
分からないものはどうしようもないので、唯一理解できた単語「科学万博つくば’85」に思いを馳せた。
1985年つくば万博。
わたしが中学3年の時、父と二人で行った万博だ。わたしの記憶にこの宇宙の卵は無い。ただ、もし当時見ていたのなら、わたしは宇宙の卵と時空を超えて再会したことになる。しかし、繰り返すがわたしの1985年つくば万博の思い出にこの宇宙の卵の記憶はない。
1985年の万博でわたしの記憶にあるもの。万博に父と車で行った事。万博に行く途中、山道にあった自動販売機で父が飲み物を買ってくれた。わたしが選んだ烏龍茶缶に対して父が「そんなものにお金を出すのか」と言った事。
万博会場では2つのディスプレイ装置が記憶に残っている。(というかそれしか記憶にない)
1つはSONYの巨大ディスプレイ装置。遠くからでも馬鹿でかいディスプレイ装置は会場でやたらと目を引いた。もう一つのディスプレイ装置は、NHKが展示していたハイビジョンテレビだ。テレビに映った人がまるで目の前にいるような綺麗さに「科学」という文字がわたしの頭で踊った。
万博の後、ハイビジョンテレビが発売されたとき、父は購入していたように思う。万博の記憶が父にそうさせたのかどうか、今となっては分からない。
きっと現在の4Kだか8Kだかのテレビジョン放送の方がずっとハイビジョンより綺麗だろう。でも1985年に見たハイビジョンの方がわたしの中では綺麗なテレビとして今も心にあるのはなぜだろうか。
コメント