まだ明るいうちに家に着いた。
いつものように車を降りてドアを閉めようとしたときだ。
わたしの目の前を茶色い物体が、裏の林の方にものすごい勢いで駆けて行った。
しっかりとわたしの目に焼き付いたそれは、茶色い野生のうさぎだった。
【写真/2013年4月25日 ドミニカ共和国の茶色い鳥 photo by Michal】
うさぎを見たのは今回が初めてではない。しかし、野生のうさぎを見たのは初めてだった。
わたしはうさぎが駆けて行った方向に歩いて追いかけた。うさぎと同じ茶色い色をした鳥が木に一羽止まっているだけで、そこにはうさぎはいなかった。
何年か前に同じ自宅の庭で野生の狸を見たことがある。狸は、わたしが近づいても動かないで震えていた。狸はやせて、毛が抜けていた。病気だったのかもしれない。
近所でも、畑の中を土煙を上げて猛進するイノシシを見たことがある。
ここは田舎だ。いまだに野生の動物たちを見ることが出来る。
野生の動物を見た記憶は、動物園で見るそれと違っていつまでも脳裏に焼き付いている。
野生のうさぎの後ろ姿を、今度はいつ見れるだろうか。
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