わたしはドラクエ世代だ。
つまり、リアルタイムで任天堂ファミコンの初代ドラゴンクエストをプレイした世代という事だ。
RPGというジャンルを知らなかった当時、ドラクエの印象はかなり強く、いまだにドラクエの呪文を憶えている。(憶えていて役にたった試しはないが…ドラクエの呪文が使えたらいいのにといまだに思っている。特に『ルーラ』)
最近そのドラクエの呪文を娘から聞くことになった。なぜ知っているのか娘に問いただすと、ネットの歌い手さんらしい。
わたしが疎かっただけかもしれないが、かなり以前から有名な人のようだった。
その名は『ヒャダイン』
わたしは娘に
ヒャダインは割と強い呪文で、氷系の呪文なんだよ。
ヒャダインより先にヒャド→ヒャダルコの順に憶えるんだ。
ヒャダインは敵全体にきくけどヒャドは敵一体しかきかないんだ。
などと受験を控えた我が子にかなりどうでも良い情報を真剣に伝えていた。
それと同時にわたしは、ドラクエの復活の呪文やヒャダイン以外の呪文を思い出すことになった。
[memo title=”復活の呪文とは?”]
当時のゲームには、ボタン一つでセーブという機能は無く、画面に表示された平仮名の羅列を広告の裏などに書き写す、という行為がゲームを再度プレイするための儀式(=セーブ)だったのだ。
「ぬ」と「ね」の紛らわしさや自分の字の汚さに、わたしは何度も泣きをみたものである。
[/memo]
確か『メラ』をいう火の玉魔法を最初に憶えて、一度訪れた町へは『ルーラ』で飛ぶことができて、稲妻系の呪文で『イオナズン』をよく『イナズオン』と呼んでいたっけ。『ザキ』は中々成功しないけど息の根を止めるという感じで好きだったなあ...とまあ、次から次へと記憶が押し寄せてくるぐらいに憶えていた。
なぜ自分で使えもしないゲーム中の呪文をこんなにも憶えているのだろう。自分でも不思議な気がする。
ドラクエの呪文が何十年も経った今、ネットのハンドル名などに使われているとは、正に復活の呪文である。
人はなぜ憶える必要のない事をいつまでも憶えていて、憶えるべき事柄を記憶の隅に追いやっていくのだろう。
きっと、人間の行動そのものこそ『パルプンテ』なんだろう。
参考:『ヒャダイン』さんの作品(けっこう好きです)
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