小学生だったわたしの心に鮮烈な印象を残したのがアロンアルファというボンドだ。
それまで使っていたボンドは接着時間も長く、接着力もたいしたことがないボンドばかりだった。(ちなみに黄色いボンドは、乾燥するとプニプニして見た目もそれっぽいので鼻くそボンドなどと呼ばれていた)
アロンアルファは無色透明で一瞬でくっつく。
しかも超強力な接着力なのだ。
コマーシャルではチェーンをくっつけて車同士をひっぱったり、それまでの接着材の常識を覆してしまうボンドだった。
小学生は1人だとそこまでアホにはなれないが、小学生同士となるとかなりアホになる。
その日、わたしを含めた友人3人は近所の神社にいた。
神社にはなぜか鉄棒があった。
そしてなぜか1人がアロンアルファを持っていた。
友人の1人が
アロンアルファ試そうぜ!
と言った。
もう1人がすごいアイデアを出した。
親指とひとさし指の先で丸を作るとちょうど鉄棒の太さになるから、アロンアルファでくっつけてみよう!
アホである。
誰が犠牲になるかはじゃんけんだっと思う。
アロンアルファを親指の先に1滴たらし、鉄棒にまわしたひとさし指を親指の先にくっつける。
3秒待った。
くっついた。
とれねえ!とれねーよー!
アホである。
今日家に帰れねえ!!!
そういう問題ではない。
しかし、鉄棒に指をくっつけ泣き叫ぶ小学生はかなりこっけいだった。
まあ、最終的にはとれた。指の皮がむけたが。
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