久しぶりに10kmのマラソンに出場した。
最近は、フルマラソンに挑戦して負けてばかり(わたしはまともに42.195kmを走りきったことがない)だったので、絶対に完走できる10kmの部に出場して自信をつけるつもりだった。
ところが、今までに10kmを走った中で、2番目に悪いタイムであった。
走っている最中は、体調も良く後半になってもスピードが落ちない感じがしていた。抜きつ抜かれつしていた一人の選手を残り1knほどで抜き、ずっと背中を追っていた他の選手もゴール直前で抜いた。
万事がうまくいったように見えた。
最低でもこれくらいかと頭に描いていたタイムよりも、3分も遅いタイムでわたしはゴールしていた。
10年前に初めて10kmのマラソンに挑戦したとき、わたしは練習のし過ぎで失敗をした。
スタートしてすぐに左足が痛くなり、思うように走れない。足を引きずりながら10kmのほとんどを走ったのだった。その時の記録が、わたしにとっての最低記録である。しかし、今回は身体のどこにも不調はなく、むしろ快調に走っての結果がその時の記録とほぼ同じなのだった。
10年前30代だったわたしは、今40代である。あの時君は若かった、のである。
心の中で「ああ、そうか」という声がした。
それと同時に「さあ、始まりだ!」という声も聞こえた。
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