海援隊の『贈る言葉』という歌がある。
いい歌だと思うし、当時の情景も思い出させてくれるわたしの好きな歌だ。
人は歌を聴くとき、自分の中で思い思いに勝手な情景をこしらえて聴いている。
『贈る言葉』の歌詞は、誰かに「贈った言葉」なのだろうか、それとも「贈りたかった言葉」なのだろうか?
卒業をイメージさせるこの曲は、1980年代テレビ番組「3年B組金八先生」の中で、主演の武田鉄矢が唄ってヒットした。
先生が学生に贈るのか、親が子に贈るのか、それとも彼氏がふられた彼女に贈る、のか。
色々な意味にとれるこの歌の歌詞は、自分が誰かに「贈るはずだった言葉」として、心に浮かんでくる。
世の中には、たくさんの歌があるが、それは実際に言葉にして相手に伝えたものなのか、それとも相手に伝えられなかった言葉なのだろうか。
人が歌を歌う意味はそんなところにある気がする。
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