「嫌いな人」は「記憶に残る人」

庭の白梅
庭の白梅

小学校の頃の父は、一緒に釣りに行ってくれたり、夏休みは家族旅行に連れて行ってくれたりといい面もあったが、わたしにとってはいやな思い出の方が先に立つ。

母としょっちゅう喧嘩をしていたし、そのせいで夕食のときのおかずがわたしの頭上を飛んでいったこともある。
わたしが一番いやだったのは、酒を飲むときの父だった。
父は毎晩酒を飲む。わたしは毎晩いい気分ではいられなかった。父は酒を飲むと機嫌が悪くなるからだ。
誰に対して怒っているのかわからない時もあったし、ぐちのような小言がいつまでも続く時もあった。友人の父親がどうだかは知らないのに勝手に他の人の家はいいなぁ、とわたしは思っていた。

ただ、わたしが小学校の高学年になって興味を示したコンピュータを突然買ってきてくれたのも父である。
そのお陰で今わたしは学生にプログラムを教えているのだ。

わたしにとって「嫌いな人」であることの時間の方が多かった父だが、時々ふと思い出すことがある「記憶に残る人」であるのもまた事実である。

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