「おまえが言うな」というセリフ

小学生が放つ「若いよなあ」

小学生の子どもが、自分より小さい子どもを見て「若いよなあ」と言ったのを聞いたことがある。
「おまえが言うな」と言いたくなる状況だ。
しかし、子どもが言うセリフならかわいいものだ。
大人に対して「おまえが言うな」と言いたくなる状況は少々やっかいだ。

80歳なのに100歳まで生きる本

健康に長生きしよう、と庶民をあおる書籍が存在する。
例えば、「100歳まで健康に過ごす知恵」のようなタイトルの本だ。この手の本は大抵キャッチコピーである目次がずらずらと並べられている。「年を取ったら、肉はどんどん食べよう」とか「○○運動で100歳でも80歳の身体」などなど。

わたしも最初はへえ面白そうだな、と手に取ってみたりする。
その後に著者の略歴などを拝見して年齢を確認すると「100歳まで年を取っていない」のである。自分は若い(100歳からすれば60歳も80歳もまだ子どもだろう)のに他人が100歳まで生きられるかのような内容を世に広めているのは、まさに「おまえが言うな」である。
子どもに嘘を教えない、という意味でも、ぜひ自身が100歳をこえてから本を出して欲しい。
もし、こういう人が100歳になったら「150歳まで生きる知恵」なる本でも出すのだろうか?

ネット上は「おまえが言うな」の宝庫

インターネット上では更にたちが悪い。
ステマ(ステルスマーケッティングの略で、宣伝であると気づかれないように宣伝すること)は相変わらず盛んだ。世の中十人十色の意見があるはずなのに、良い事しか書かれていないとしたらかなり怪しい。手の混んでいるものになると自分のサイトを持ち、ブログやAmazon、楽天、2ちゃんねるなどほぼ全ての口コミサイトを網羅して宣伝しているものがある。「自画自賛極まれり!」といった感じだ。

自画自賛サイトや自画自賛ちゃんに気づくことは割と簡単だ。
例えば、違う人のコメントや違うサイトなのに似たような文句が並べられていたりする。
あと、一部有名ホテルのレストランでも話題になった偽装言葉が修飾語として頭についている場合が多い。
どれだけその人が凄いかの説明であれば、「○○コンサルで超多忙な日々を送るA嬢」とか「○○を世に広めた仕掛人のB氏」などの言葉が、ただのブログコメントに記されていたりする。キーボードから、いちいち名前の手前に修飾語を入力しているのだろうか。まさに「リゾートホテルで食べる神戸フィレ肉フランス風」だ。

誉めるなら他人

世の中「自画自賛したもん勝ち!」みたいになってしまったら、少し悲しい。
たまには他人から誉められたいものだ。
(誉められたいなら、他人のいいところを見て誉めなさい、と昔誰かに言われたような・・・)

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