第一夜
こんな夢をみた。
戸を開けると昔の家だった。
ばあちゃんがお風呂を焚いていた。私を見ると「今、火を焚いてるとこだ。」とばあちゃんが言った。
私はこれは夢だとわかった。この家は今はないし、ばあちゃんも今はもういないから。
「ばあちゃん、死んじゃったんだよ。」と私が言ったらばあちゃんは「ばっかみてぇ。」と言って笑った。私もつられて笑った。
私が「ばあちゃん畑に行こう。」と言ったら「ねぎでも、おろぬきに行くか。」と言って立ち上がって外に出た。私が先を歩いていた。振り返るとばあちゃんの姿は見えなかった。
そこで目が覚めた。涙がこぼれた。
三月二十三日。彼岸明けの日だった。
Copyright 2013 Harumi Kikuya