過去/重力2倍

土曜日に散髪に行きました。
いつもなら自分の車で行って帰って来るのですが、今回は家族で近所まで来ていた事もあり、そこまで妻に乗せていってもらい帰り道は自分の足で帰ることにしました。
なぜそうしようと思ったのかと言うと走りたかったからです。


午後の2時半頃に散髪が終わり、靴のひもを結び直してから、まずは歩き始めました。
いつも僕は10分位歩いてから走るのです。
以前に、自動車の走行距離のメーターで自宅までの距離を測ったことがあったので、大体の距離は11kmくらいあることは知っていました。この日はかなり日差しが強くてもう夏なんだなあと感じていました。
今年は美白でいこうと思っていたので、日焼け止めを塗って来なかった事に、少し後悔をしていました。
10分ほど歩いてから走り始めました。
自分では運動している人の感覚で走っていたのですが、よくよく考えてみると自分の格好がおかしい事に気付きました。なぜならその日の僕は、紺色のシャツにジーンズを履いていたからです。
靴こそランニングシューズでしたが、明らかに普通の格好です。
傍から見ると何か緊急事態でも発生したか、乗っていた自動車でも故障したのかと思われそうな感じでした。
しかも暑い日です。まあでもここで走る事を辞めても、11kmもあるので家につきませんから、やっぱり走っていました。
20分くらいは調子よく走っていたと思います。千代橋という久慈川にかかる橋の上では、年配の夫妻が鮎つりを見ていて、夫の方が一眼レフを抱えて写真を撮っていました。写真は僕も興味があるので、いつもなら話しかけたいところですが、今日は走っているので「こんにちは。」とだけ声をかけただけでした。
橋を渡って、下り道を降りたところから何やら足の調子がおかしくなってきました。
足の部分で言うと、ひざがかなり痛くなってきました。別に誰かと競争をしている訳でもないので、すぐに走るのをやめ、歩く事にしました。
5分くらい歩いてみて、もう走っても大丈夫かなあという気持ちになってきたので、再度走ることにしました。
でも30秒も走らないうちに、何か足が急に重くなってきました。
ドラゴンボールという漫画で、主人公の孫悟空が戦闘力を上げる為に「重力2倍」の部屋に入って、修行をしていましたが、この時の僕も自分の体重が2倍になったのではと感じるほど足が重くなっていました。
これは確かに修行になるなと思いました。
自分の意思とは逆に足が止まりました。
気持ちは走ろうとするのですが足が言うことをきかないのです。
また僕は歩いていました。
なぜ足が重くなるのだろうかと思いました。
でも、自分では足が重くなればなる程、逆らって走りたいのです。
勝田マラソンの頃になれば10Kmなど余裕で走れるのに、今日は5kmも走らないうちに足が重くなってしまい、僕はその事にどうしても納得がいかず、走っては歩き、走っては歩きを繰り返していました。
人間は普段からしていない事は出来ないものなのでしょうか?
でもそれに逆らって生きてゆきたいのです。

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