本の感想:「なんでシュートしないんだ!」では子どもは育たない

「なんでシュートしないんだ!」では子どもは育たない
宮澤ミシェル(著)

「なんでシュートしないんだ!」では子供は育たない

2014年ブラジルW杯日本代表の1勝2敗という結果に対して「メディアや解説者、指導者がシステムを重視しすぎるせいで、選手が頭でっかちになっている」という分析は今の日本人全体に響いてくる。昔なら普通にいたであろう「自分で考えて、自分で行動できる子供」が育っていないのだ。

技術はあるけど、流れを読めない

ということに対して、日本人の英語教育を例にあげ、その練習方法に問題があるからだと説いている。

日本人は文法ばかり気にしていて、会話ができない。
サッカーも型ばかり気にしてゴールができない。

英会話もサッカーも「ちょっと待った」ができない。「流れ」を読むことが肝心。

と。

タイトルからすると本書はサッカーに関しての教育本かと思ってしまう。しかし、サッカーだけにとどまらず、「教育とはこうあるべきだ」という親や教師が読んでも大切なことが随所に散りばめられている。
サッカーを教える工夫も、具体例を交えてなぜそうするかの理由まで解説してくれている。

結論を言ってしまうと、サッカーはゴールを決めることが目的である、というしごく真っ当なことを説いた本である。なぜなら、ゴールしないと勝てないから。そしてゴールが一番楽しいから。
宮澤ミシェル氏の本書を読んで、孔子のこんな言葉を思い出した。

「ある物事についてそれを単に知っている者は、それを好む者に及ばない。
しかし、それを好む者でも、その物事を楽しむ者には及ばない

「サッカーもしょせん遊びでしょ。楽しもうよ!」という著者のメッセージは、頭でっかちになった大人や教育者達にどう響くだろうか。

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